小林清親(1847~1915)

河鍋暁斎や柴田是真に師事したといわれるが、確かなことはわからない。絵は独学だったと考えられる。変わりゆく東京の街並を抒情的に表した風景版画のシリーズで、彗星の如くデビュー。浮世絵で馴染みの名所絵の体裁に、陰影や遠近法など洋風の手法をミックスし、「光線画」という名で人気を博した(本展出品作《九段坂五月夜》もその一つ)。《猫と提灯と鼠》は、西洋の石版画や銅版画に似せたかのような木版画。山下団長が「これは描いたものではないですよね?」言ってしまうほどの、超絶技巧な猫の毛の表現に注目したい。現在でも評価の高い、これらの洋風浮世絵のような作品の制作期間はわずか5年間に限られ、その後は「清親ポンチ」という風刺画や雑誌の挿絵などを手掛けた。