狩野一信の《五百羅漢図》

幕末の絵師狩野一信(1816~63)が東京・増上寺に奉納した作品。亡くなるまでの約10年の歳月をかけ、高さ約170cmの掛け軸に5人ずつ、全100幅で500人の羅漢(仏道修行の最高段階にある、尊敬されるべき人)を描く。極彩色で精緻に描きこみ、洋風の陰影表現や遠近法も採用した幕末ならではの仏画である。戦前、増上寺にはこの絵を飾るための羅漢堂という建物もあったが、空襲で焼失。作品自体はなんとか助け出されたものの、ながらく忘れられ、2011年、山下団長が監修した展覧会が江戸東京博物館にて開かれるまで、全100幅が展示される機会はなかった。会期中、団長と赤瀬川原平・南伸坊団員とのトークショーが催され、入団前の井浦団員がプライベートで聴講している。2015年4月にオープンした増上寺宝物展示室で、数幅ずつ披露されている。